スタッフブログ 2026.01.21
AIの進化は、目覚ましいものがあります。
文章も、画像も、図面のたたき台さえも、瞬時につくれる時代になりました。
建築の世界においても、
AIはこれからますます身近な存在になり、
設計の補助や検討、シミュレーションの場面で
欠かせないツールになっていくでしょう。
私たちも、AIの可能性を否定するつもりはありません。
むしろ、積極的に活用すべきものだと考えています。
ただ一方で、
「それでも失ってはいけないものがある」
そう感じてもいます。

この一枚のパースが教えてくれること
こちらは、弊社創業者である会長が自身の手で描いたパースです。
ペン一本、頭の中にある空間をそのまま線に落としています。
今であれば、
このような雰囲気のパースも、AIで生成できるかもしれません。
けれど、この一枚には
単なる「見た目」以上のものが詰まっています。
・敷地の空気感
・建物同士の距離感
・人が歩いたときの視線の高さ
・季節や時間帯まで想像した陰影
それらを、
「考えながら」「感じながら」描いている線です。
設計とは、答えを出す作業ではない
設計の仕事は、
条件を入力して、最適解を出す作業ではありません。
・なぜ、この配置なのか
・なぜ、この形なのか
・なぜ、この余白が必要なのか
一つひとつに、理由があり、背景があります。
AIは、優れた「提案者」にはなれます。
しかし、決断する主体にはなれない。
その決断を支えるのが、
設計者として積み重ねてきた思考と経験、
そして、手を動かしてきた時間だと私たちは考えています。
AIを使いながら、腕を磨き続けるという選択
私たちは、
AIを否定する設計事務所ではありません。
けれど、
「AIに任せればいい」とは考えていません。
便利な道具が増えたからこそ、
設計者自身が
・どう考えているのか
・何を大切にしているのか
・どこに違和感を覚えるのか
それを言葉と線で説明できる存在でありたい。
ペンで描くこと。
考え抜いて図面を引くこと。
空間を頭の中で何度も歩くこと。
そうした基本を、
これからも大切にしながら、
AIという新しい道具とも向き合っていきます。
技術が進んでも、設計の中心は「人」
どれだけ技術が進んでも、
家に住むのは人であり、
その空間で人生を重ねるのも人です。
だからこそ私たちは、
思考することをやめない。
描くことを手放さない。
腕を磨き続ける。
AIの時代だからこそ、
設計者である前に、人として空間と向き合う。
それが、私たちの姿勢です。